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M&Aは少額でも可能|少額M&Aのメリット・デメリットを解説

「会社を売りたいけど、自分の会社は小さいからM&Aは難しい」と考えている人も多いのではないでしょうか?

M&Aに対しては確かに数億円、数十億円の売買が行われるイメージがありますが、実際には数百万円程度のM&Aも実施されています。

少額でのM&Aのメリット・デメリットを解説するとともに、少額のM&Aに向いている業種やM&Aを進める方法などについて詳しく解説していきます。

目次

M&Aは少額でも可能

M&Aは少額でも実施することができます。

M&Aは買い手と売り手の交渉ですので、少額のM&Aについて交渉がまとまれば少額で取引することも可能です。

売り手と買い手の交渉で価格は決まる

M&Aの売買価格はあくまでも売り手と買い手の交渉によって決まります。

買い手や仲介業者が「売り手起業の価値はこのくらい」と価値を評価し、その価値に売り手企業が納得すれば、その価格が売買価格です。

つまりM&Aの価格に「〇〇千万円以上」などの価格の決まりはありません。

M&Aの売買価格はあくまでも売り手と買い手の交渉のみによって決定すると理解しておきましょう。

交渉次第で少額の取引も可能

売り手と買い手の交渉によって少額の取引をすることも可能です。

例えば個人が経営する飲食店を売買する際などは、その飲食店の売上などをベースに価格が決まるので少額になるのが一般的です。

少額であっても売り手が買い手が提示した売買金額に納得した場合には、M&Aは成立します。

M&Aは数千万円、数億円の高額ではなく、数百万円程度の高額でも成立するものであると理解しておきましょう。

M&Aについてよく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

少額のM&Aのメリット

少額のM&Aには次の3つのメリットがあります。

  • 起業のリスクを軽減できる
  • 低リスクでチャレンジできる
  • 少額で大きなリターンを狙える

低リスクで大きなリターンを狙うことができるという点は少額でM&Aを実施する大きなメリットです。

起業のリスクを軽減できる

少額で企業を買収し、新しい事業を始めることで、起業する際のリスクを大幅に軽減することができます。

新しい事業を始める際には、その事業に関するノウハウの習得、顧客の開拓、人材の育成などさまざまなプロセスが必要で、すぐに収益化することは困難です。

しかし、M&Aによって既存の事業を買収することによって、ノウハウも顧客も人材も取得した状態で事業をスタートさせることができるので、起業の際の失敗のリスクを大幅に軽減できます。

低リスクでチャレンジできる

M&Aによって事業を拡大したりスタートしても、失敗に終わることも珍しくありません。

せっかく巨大な資金を投下して他の事業を買収しても、事業が失敗に終わり買収代金が水の泡になったというのはよくある話です。

少額でM&Aを実施すれば例え失敗したとしても損失も少額で済みます。

低リスクでチャレンジできるというのも、M&Aを実施する大きなメリットの1つです。

少額で大きなリターンを狙える

少額でM&Aを実施することで、少ない資金で大きなリターンを狙うことができます。

例えば赤字や債務超過になっている企業を少額で買収し、復活させることができれば、少額で非常に大きなリターンを得ることも可能です。

また、失敗したとしてもリスクは限定的です。

買い得なM&A案件に出会うことができれば、投資金額の何倍ものリターンを短期間で得ることもできるでしょう。

少額のM&Aのデメリット

少額のM&Aを実施する際には、次の3つの点に注意しましょう。

  • 少額で購入したが多額の簿外債務を引き継ぐリスクがある
  • 売り手に必要な資金が入らない
  • M&A仲介業者に断られることがある

少額でM&Aを進める前には抑えておきたい3つのデメリットについて詳しく解説していきます。

少額で購入したが多額の簿外債務を引き継ぐリスクがある

「少額でお買い得なM&A」と少額案件に安易に飛びつくことは危険です。

そのような企業には簿外債務が隠れている可能性があります。

簿外債務とは貸借対照表に記載されていない債務で、例えば損害賠償請求をされているようなケースです。

損害賠償請求をされているということは貸借対照表に載っていないので、このような隠れた債務を「簿外債務」と言います。

相場よりも安い値段で会社が売られているということは、簿外債務のような隠れたリスクが内在している可能性があるのです。

最終契約前にしっかりとデューデリジェンスを行い、簿外債務の有無を確認する必要があります。

売り手に必要な資金が入らない

少額のM&Aは売り手企業にとっては手元に入ってくる資金が非常に少ないということです。

そのため、売り手が資金調達のためにM&Aを実施したい場合にも、必要な資金が入ってこない場合があります。

少額のM&Aは売り手にとってメリットがないケースが多いので、優良な案件が少ないという点もデメリットです。

M&A仲介業者に断られることがある

仲介業者によっては少額案件を断る場合もあります。

M&A仲介業者の報酬は「売買価格×〇〇%」というように、売買価格が基準となるのが一般的です。

少額案件であれば仲介業者の報酬が少なくなるので、仲介業者とすれば高額案件よりも旨味がありません。

そのため、業者によってはあまりにも少額の案件を断ってしまうケースもあるようです。

中小企業のM&Aを実施している業者は少額だからと断るようなことはしないので、ホームページなど小規模のM&Aを実施している業者であることを確認した上で相談しましょう。

少額のM&Aに向いている業種とは?

少額のM&Aに向いている業種として、次のようなものが挙げられます。

  • 飲食店
  • 小売店
  • 美容サロン
  • 学習塾
  • 調剤薬局や医院
  • webサイト・ECサイト事業

少額のM&Aに向いている業種とその理由について詳しく解説していきます。

飲食店

飲食店は少額のM&Aが度々実施される業種の1つです。

今や老舗と呼ばれる小規模な食堂などの多くが後継者問題を抱えています。

そして、老舗の味は他の大手が真似をしようとしても簡単にはできないブランドですので、「ブランドが欲しい」という譲受企業と、「味と顧客を守りたい」という譲渡企業の利害が一致してM&Aが成立しやすくなります。

1店舗しか営業していない飲食店の売買価格は数千万円程度が相場ですので、少額のM&Aとなりやすいでしょう。

小売店

小売店なども小規模なM&Aになりやすい業種です。

小売店は同業他社が多数存在するので、大手がシェア拡大のために地方に根を張るスーパーなどの小規模小売店を買収するという形が多くなっています。

譲受企業は簡単に地域のシェアと顧客と信頼を獲得することができますし、譲渡企業も買収後も経営に参画できるケースも多いため、双方にとってメリットがあります。

美容サロン

美容サロンも同業他社のシェア拡大のために買収されるケースがあります。

美容師には個人に顧客がついているので、買収することによってその顧客も引っ張ってくることが可能です。

つまり、新たな営業戦略なしに一定の顧客増加が期待できるので、M&Aが最も効率のよい規模拡大手法だと言えるのです。

譲渡企業のサロンオーナーもM&Aによって退職金を手にすることもできるので、双方にとってウィンウィンのM&Aになりやすい業種です。

学習塾

学習塾も小規模M&Aの代表格です。

学習塾を買収することによって、地域の信用、生徒、親、学習ノウハウなどを一度に獲得できます。

学習塾は地域における信頼と、これまでの生徒の進学実績が経営をしていく上で最も重要です。

そして、これらは一朝一夕で獲得できるものではありません。

M&Aによって買収すれば、これらを獲得できます。

また譲渡企業の経営者も譲受企業の経営者として参画できるケースも多いことから、双方にとってメリットがあります。

調剤薬局や医院

調剤薬局や個人医院は事業承継問題解決のためにM&Aを利用するケースが多くなっています。

薬剤師や医師が高齢になっているものの「地域に薬局がない」「同一地域に開業医が他にいない」このようなケースでは、M&Aによって事業承継を行えば地域医療や患者を守ることができます。

また、譲受側も高額な投資が必要な薬局開業や病院開業が安価になるのでメリットがあります。

webサイト・ECサイト事業

サイトを売却するケースです。

収益をあげているサイトを売買することで譲渡側は新たな事業に必要な資金を手に入れるケースが多いようです。

また、譲受企業は本来であれば時間のかかるサイトの信頼や顧客を獲得できます。

サイトから上がる収益やPV数が多ければ多いほど高額で売却できます。

業種ごとのM&A案件について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

少額のM&Aを実施する方法

数百万円程度の少額のM&Aを実施したいのであれば、次の2つの方法が向いています。

  • M&A仲介業者に依頼する
  • M&Aマッチングサイトを利用する

自社で相手先企業を見つけることができない場合に、M&Aを実施する方法について詳しく見ていきましょう。

M&A仲介業者に依頼する

最も確実な方法がM&A仲介業者へ依頼する方法です。

M&A仲介業者の中には日本全国の地方銀行や税理士・会計士事務所と連携しているところも多いので、そのような業者は金額的に小さな案件でも、最適なM&Aの相手先企業を見つけることができます。

M&A仲介業者のホームページを確認し、小規模のM&A仲介を行っている業者へ相談してみましょう。

M&Aマッチングサイトを利用する

少額のMA&であればM&Aマッチングサイトを利用するのも非常に有効な方法です。

M&Aマッチングサイトとは、「企業を売りたい」「企業を買いたい」などの情報を書き込み、売り手と買い手がマッチングして直接交渉ができる仕組みのサイトです。

料金も無料もしくは格安となっています。

数百万円程度のM&Aで仲介手数料を支払うのは勿体無いと言えば勿体無いため、M&Aマッチングサイトを利用することも検討しましょう。

M&Aマッチングサイトについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

まとめ

M&Aは売り手と買い手双方が合意すれば、少額であっても問題なく売買できます。

少額で企業を買収することによって低リスクでハイリターンを狙うこともできます。

ただし、業者によってはあまりにも金額的に小さいM&Aは取り扱いを断るケースも多いので、少額のM&Aに応じてくれる業者へ相談しましょう。

また、売り手と買い手が直接つながることができるマッチングサイトの利用も検討してください。

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