M&Aを実施したい場合にはM&Aを仲介するアドバイザーへ依頼するのが一般的です。
しかしM&Aアドバイザーへ依頼すると数千万円〜数億円程度の費用が発生することがあるので注意が必要です。
「M&Aにかかる費用をできる限り抑えたい」という方にはM&Aマッチングサイトを利用することがおすすめです。
M&Aマッチングサイトは、無料もしくは安価で利用できるので仲介アドバイザーを利用するよりも圧倒的に低い価格でM&Aの相手先を見つけることができます。
今回はおすすめのM&Aマッチングサイトと、サイトを選ぶ際のポイントと注意点を詳しく解説していきます。
M&Aマッチングサイトって何?サイト選びの5つのポイント
M&Aマッチングサイトとは「企業を売りたい」もしくは「企業を買いたい」という情報を掲示板に掲載して、買い手または売り手を探し、直接交渉することができるサイトです。
仲介業者が相手先企業を探して交渉をしてくれるわけではないので、仲介業者を利用するよりも非常に安価でM&Aを行うことができます。
M&Aマッチングサイトは無数に存在しますが、サイトを選ぶ際には次の5つのポイントを抑えておきましょう。
- これまでのM&A実績を公開しているか
- 提携企業数と案件数
- マッチングサイトの料金体系
- 自社の地域に対応しているか
- マッチング以外のサポート
これまでのM&A実績を公開しているか
これまで取り扱ったM&Aの実績を公開しているかどうかはマッチングサイトを選択する際に非常に重要な指標となります。
登録するのであれば、実績のあるサイトの方がM&Aが成功する可能性が高いと考えられますし、サイトの中には会社の情報だけ手に入れて相手先企業が見つからないことも多いためです。
そのため、これまでのM&A実績を公開しているサイトを選択しましょう。
サイトの中には、取り扱った案件が業種ごと詳細に掲載されているものも多いので、できる限り掲載されている実績の種類が多いサイトを選択するのがおすすめです。
提携企業数と案件数
どの程度の企業と提携しており、公開されている案件の種類はいくつかという点についても明記されているサイトを選択しましょう。
提携している企業数が多ければ多いほど相手先企業が見つかる可能性が高くなります。
また、案件数が多いサイトはそれだけ多くの企業が利用しているということですので優良サイトの証拠でもあります。
反対に提携企業数と案件数が公開されていないサイトは、M&Aの相手先企業が見つかる可能性が低いと考えた方がよいでしょう。
マッチングサイトの料金体系
マッチングサイトを利用する際の料金体系についても明記されているサイトを選択すべきです。
マッチングサイトの中には、売り手が無料で利用できるものもあれば、月額料金がかかるものなどがあります。
そもそも料金体系が明確になっていないと、相手先企業が見つかったら急に思ってもないような高額な利用料金を請求される可能性もあります。
このようなことがないように、事前にマッチングサイトの料金体系を確認し、料金に納得がいった場合のみ利用するようにしてください。
自社の地域や業種に対応しているか
マッチングサイトがどのエリアや業種に対応しているのかも確認した上で利用を検討しましょう。
マッチングサイトの中には「関東のみ」とか「建設業のみ」などとエリアや業種が限定されているものも少なくありません。
自社が所在する地域や自社の業種に対応しているマッチングサイトを選択するようにしてください。
マッチング以外のサポート
マッチング以外にどんなサポートがあるのかを確認することも重要です。
次のようなサービスを行っているサイトも多数あります。
- M&Aアドバイザーに相談できる
- 書類の作成
どちらか一方の企業にM&Aの知識がなければ相手先企業にとって都合のいいようにM&Aが進められてしまう可能性があります。
そのため、不安な際にはM&Aアドバイザーに相談できるサイトを利用するのが安心です。
また、実際にM&A契約を締結する際には複雑な多くの書類の作成が必要になります。
こちらもM&Aアドバイザーなどに作成を依頼できる体制が整っているサイトであれば安心です。
マッチング以外にどんなサポートを受けられるのかも確認し、問題なくサポートを受けることができるサイトを選択しましょう。
おすすめのM&Aマッチングサイト7選
上記5つのポイントを抑えておりおすすめのマッチングサイトは次の7つです。
- Batonz(バトンズ)
- TRANBI(トランビ)
- ビズリーチ・サクシード
- スピードM&A
- M&Aナビ
- FUNDBOOK(ファンドブック)
- M&Aサクシード
- M&Aクラウド
おすすめの優良M&Aマッチングサイトの特徴を詳しく解説していきます。
Batonz(バトンズ)
売り手が無料で利用できるM&Aマッチングのプラットフォームです。
企業調査、保険、専門家の支援などのオプションが充実しています。
買い手側はこれらのオプションを次のような格安料金で利用できます。
- 個人:月額4,900円
- 法人:月額9,800円
この他にもM&Aアドバイザーが積極的にM&Aをサポートするプレミアムプランなど豊富なオプションが相場よりも安い価格で利用できるのが大きな魅力です。
TRANBI(トランビ)
TRANBIはM&Aだけを行うわけではありません。
TRANBIは業務提携先や出資・資金調達先を探すこともできます。
法人も個人も利用することができ、売り手側は無料で利用することが可能です。
また、買い手側は取引金額やオプションの内容によって次のように料金設定が分かれています。
ベーシック:月額費用:3,980円
- 売却希望価格500万円まで
- 情報漏洩保険付き
- 提携先などの募集が可能
ビジネス:月額費用:9,800円
- 売却希望価格3,000万円まで
- 情報漏洩保険付き
- 提携先などの募集が可能
- 外部人材の募集が可能
エンタープライズ月額費用:19,800円
- 売却希望価格無制限
- 情報漏洩保険付き
- 提携先などの募集が可能
- 外部人材の募集が可能
- 専門家などによる代理買い交渉が可能
ビズリーチ・サクシード
ビズリーチが運営するM&Aマッチングサイトです。
売り手は無料で利用でき、買い手は譲受金額の1.5%(最低金額100万円)の案件紹介料が発生します。
日本全国のM&A案件に対応しているので地方の人でも安心して利用できます。
スピードM&A
売り手と買い手が直接交渉できる仕組みを採用しているので、M&Aの交渉にかかる時間が短くなるというのがメリットです。
売り手側は無料で利用でき、買い手は成約時のみ成約価額の1.5%〜5.0%(最低金額20万円)が発生します。
取り扱い案件の規模も大小様々ですので、小規模の個人事業主でも安心して利用できます。
M&Aナビ
定額で利用できるM&Aマッチングサービスです。
成約までは売り手も買い手も一切料金は発生しませんが、成功報酬として次の費用が発生します。
- 売り手:成約時のみ成約価額の5%~9%(最低金額200万円)
- 買い手:成約時のみ成約価額の5%~9%(最低金額200万円)
売り手にも費用が発生するという点で、売り手にとっては他のサービスよりも高コストになりますが、他のサイトよりもM&Aアドバイザーから手厚いサービスを受けられるという点が特徴です。
できる限り安価に専門家からアドバイスを受けたい場合には、M&Aナビを利用するのがよいでしょう。
FUNDBOOK(ファンドブック)
M&Aのプラットフォームと、M&Aアドバイザーによるサポートを組み合わせたサービスです。
プラットフォームでマッチング相手を探すことができるだけでなく、M&Aアドバイザーによる専門的なサポートを受けられます。
買い手からも売り手からも、次のような料金が発生します。
- 売り手:成約時のみ譲渡対象資産額の1%~5%
- 買い手:成約時のみ譲渡対象資産額の1%~5%
注意しなければならないのは、譲渡対象資産額に対して1%〜5%の割合が発生するという点です。
借入金が多い場合には、資産額が大きくなるので料金が高額になる可能性があります。
また、中間金が発生するので注意しましょう。
M&Aサクシード
M&Aサクシードは審査を通過した企業の売却案件だけが掲載される完全審査制のM&Aプラットフォームです。
売り手は完全無料で利用でき、買い手は成約時に手数料が譲渡金額の2.0%(最低金額200万円)発生します。
公開されている案件が信用できるので、マッチングサイトは怖いという方は安心して利用できます。
M&Aクラウド
売り手と買い手が直接交渉することにこだわったプラットフォームです。
出資や業務提携を募集することもできるので、M&A以外にも活用できます。
買い手側のニーズも登録できるので、買い手側が求人サイトのように案件を公開して売り手側からの応募を待つこともできます。
売り手は完全無料で利用でき、買い手については成功報酬が売買価格の0.9〜9.0%発生します。
また、オプションとして売却案件へのスカウトを月額50,000円で受けることができます。
さらに、クローズドまで任せることができるプランも存在します。
M&Aクラウドについて知りたい方は以下の記事もご覧ください。
M&Aマッチングサイト選びの注意点
M&Aマッチングサイトは無数に存在するからこそ、次の3点には注意して利用するかどうかを決定してください。
- 社名の公開範囲
- 早く売却したい時には利用できない
- 契約時にサポートが受けられるか
これらに注意しないと、会社の信用を失ったり、M&Aを実施する際に不利な契約を結ばされてしまう可能性もあります。
M&Aマッチングサイトを利用する際の注意点についてしっかりと抑えておきましょう。
社名の公開範囲
掲示板にM&A案件を掲載する際に、社名や住所などの会社の情報がどの程度まで公開されるのかという点についてはしっかりと確認しましょう。
万が一、サイトに公開した案件から「自分の会社だ」ということを知られてしまったら、自社のクライアントなどからの信用が大きく失墜してしまう懸念があります。
公開した案件から自分の会社であるということを知られないかどうかは必ず確認してください。
早く売却したい時には利用できない
M&Aマッチングサイトは、M&A仲介業者を利用するよりもM&A成立が遅くなるのが一般的です。
マッチングサイトでは案件を公開して相手が現れるのを待つ時間が必要になるので、M&Aアドバイザーが相手を探してくれる仲介業者を利用する時よりもどうしても時間がかかります。
そのため「急いで買い手を見つけたい」という時には利用することはできません。
M&Aマッチングサイトは、ある程度時間的な余裕がある時に活用するようにしてください。
契約時にサポートが受けられるか
相手先企業が見つかり、契約する際にしっかりとサポートを受けることができるかも確認しましょう。
M&Aを契約する際には様々な書類が必要ですし、相手先企業が有利な契約にならないように正確な書類を作成する必要があります。
また、相手に不利な契約を結ばせようと悪意を持っている可能性も否定できません。
公平なM&A契約が締結できるよう、契約時に不備なく正確な書類を作成するためのサポートを受けることができるかどうかについてもしっかりと確認してください。
まとめ
M&Aの案件を公開し、マッチング相手を探すサービスが、M&Aマッチングサイトです。
M&A仲介業者と比較して利用料金が非常に安価というメリットがあります。
しかしM&Aは契約の手続きが非常に複雑で、悪意を持って不利な契約を締結させようとする企業が存在する可能性もあります。
安心・安全にM&Aを進めるため、できる限り実績があり、マッチング以外のサポートも手厚いサイトを利用しましょう。
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