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M&Aアドバイザーに資格は必要?仕事を有利に進める資格4選

M&Aアドバイザーへの転職を検討している人の中には「何か資格は必要なのだろうか?」と悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか?

M&Aアドバイザーとして働くために、必ずしも資格は必要ありません。

しかし、転職の際や、転職後に資格を保有していた方が有利なことは間違いありません。

M&Aアドバイザーになぜ資格が必要なのかを解説するとともに、M&Aアドバイザーのおすすめしたい4つの資格について詳しくご紹介していきます。

目次

M&Aに資格は必要ないが

M&A業を営むためには資格は特に必要ありません。

そのため、何も資格を保有していない人でも、M&Aアドバイザーとして活動することも可能です。

これはM&A仲介会社へ就職する場合も、独立したM&A業を営む場合も同じです。

また、仲介でもFAでも資格は特に必要ありません。

顧客からの信用を得ることができ、多くの案件を発掘できるのであればM&Aとして仕事をすることはできます。

そのため、何も資格を保有していない人でも、M&Aとして活躍している人は少なくありません。

しかし、M&Aは会計、法律等、様々な知識が必要です。

そして、顧客からの信頼を勝ち取らなければ仕事にはなりません。

そのため、できる限り資格を取得しておいた方がよいでしょう。

M&Aに資格があった方がよい理由

M&Aの仕事をする上で確かに資格は必ずしも必要ありません。

しかしM&Aアドバイザーとして活躍するためには、次のような理由から専門的な資格があった方がよいでしょう。

  • M&Aの実務に専門的な知識は必須だから
  • 顧客から判断される材料になるから
  • M&A仲介会社へ入社しやすいから

実務を円滑に進めるためにも、顧客獲得のためにも、そもそも就職する際も資格があるに越したことはありません。

M&Aに資格があった方がよい理由について解説していきます。

M&Aの実務に専門的な知識は必須だから

M&Aの実務には専門的な知識は必須です。

会計の知識や税務の知識、法律の知識等、M&Aの案件発掘の手続きには日常では使用しないような専門的な様々な知識が必要になります。

例えば、財務分析の知識がなければ企業を発掘する際にその企業がよい企業なのか状況の悪い企業なのかということすら分かりません。

会計の知識である「のれん」ということを理解できなければ、M&Aに伴い譲受企業の収支上の負担がどの程度になるのかを把握するのは困難です。

M&Aは企業全体の状況を判断したり、将来を予測する目線が必要ですし、法律に抵触しないよう手続きをする必要があります。

このように、M&Aの実務においては必要な知識が多いので、資格取得を通じてM&Aの実務に寄与する知識やスキルを身につけた方がよいでしょう。

顧客から判断される材料になるから

M&A仲介業者やM&Aアドバイザーは無数に存在します。

顧客から選ばれるM&Aアドバイザーになるためには、顧客にとっても分かりやすいベンチマークが必要です。

これが資格です。

「この人はこんな国家資格があるから安心」などと、資格は顧客にとって分かりやすい判断材料になるので、資格を持っていないM&Aアドバイザーよりも資格を持っているM&Aアドバイザーの方が顧客から選ばれやすいと考える方が自然でしょう。

資格はその人が特定の分野において一定レベルの知識やスキルを身につけていると客観的に判断できるものです。

資格を持っているということが、M&Aアドバイザーにとって公的にスキルや知識を証明することになるので、資格を持っていることによってM&A案件を獲得しやすいというメリットがあります。

M&A仲介会社へ入社しやすい

資格を持っている方がM&A仲介会社へ入社しやすいのもメリットです。

M&A仲介会社へ入社するのは非常にハードルが高く、未経験者の場合には以前の職場で営業成績5%以内など、非常に限られた人しか入社できません。

しかし、国家資格やM&Aに特化した専門的な知識を保有していることによって、転職活動が有利に進む可能性があります。

M&Aの仕事には専門的な知識が必要になるので、国家資格やM&Aに特化した資格を持っているということはM&A仲介会社にとっては「即戦力を獲得する」ということになるためです。

「将来的にはM&A仲介業者へ入社したい」という方はM&A関連の資格や、公認会計士や税理士などの国家資格を取得しておいた方がよいでしょう。

M&Aアドバイザーにおすすめの資格4選

M&Aアドバイザーとして活躍したいのであれば、次の4つの資格を取得することで、専門的な知識を身につけることができ、顧客の信頼も勝ち取りやすいでしょう。

  • M&Aスペシャリスト資格
  • M&Aエキスパート認定資格
  • JMAA認定M&Aアドバイザー
  • 事業承継士

M&Aアドバイザーが取得を目指したい4つの資格について詳しく解説していきます。

M&Aスペシャリスト資格

受験料11,000円
合格基準選択問題、論述問題解答それぞれ合格基準の60%以上

日本経営管理協会が運営・認定しているM&Aの実務についての資格です。

難易度は非常に高く、資格を取得すればM&Aの実務レベルが相当高いと判断されます。

顧客も安心して任せることができるM&Aアドバイザーだと判断してくれるでしょう。

資格取得支援講座が77,000円で行われており、講座修了後に試験を受験するのが一般的です。

そのため、講座受講と受験を同時に受ける場合には88,000円の費用が必要です。

習得しなければならない知識には次のようなものがあります。

  • 税務
  • 法務
  • デューデリジェンス
  • 企業価値評価
  • クロージングとアフターM&A

M&Aエキスパート認定資格

受験料7,700円
合格基準100点満点中70点以上の得点で合格

日本M&Aセンターと金融財団事情研究会が共同で運営と認定をしているM&Aの実務に関する資格です。

受験資格は特になく、M&Aに関する入門的な資格ですので、他業種からM&Aアドバイザーとして転職したいという人におすすめの資格です。

そのため、試験難易度もそれほど高くはなく、M&Aについて基礎的な知識がある人であれば合格できる可能性は高いでしょう。

なお、M&Aエキスパート認定資格はあくまでも入門的な資格で、この上位資格として「事業継承シニアエキスパート資格」があります。

さらに上位資格であるプロフェショナル資格の「M&Aシニアエキスパート資格」を目指すこともできます。

業歴を重ねる中で、さらに上位の資格取得を目指してみるのもよいでしょう。

JMAA認定M&Aアドバイザー

受験料受講料198,000円入会金33,000円月会費132,000円(年間一括払い)
合格基準非公開

一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会が運営・認定する会員資格です。

受験に合格して知識レベルを証明するものではなく、一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会が設定している基準に合致しているM&Aアドバイザーなのかを審査し、基準に合致した人だけを「JMAA認定M&Aアドバイザー」として認定するという仕組みになります。

受験する際にも入会金もそれなりの高額なお金が必要になります。

また月会費も11,000円発生するので、他の資格と比較して経済的なコストは最も大きくなります。

その代わりに入会すると会員の集いで人脈を作ることができたり、手厚いサポートを受けることができます。

基準については一切公開されていませんが、厳格な基準が設けられていると言われています。

事業承継士

受験料事業承継士資格取得講座:300,000円認定試験:9,000円入会金:10,000円
合格基準認定試験60点以上

一般社団法人事業承継協会が運営・認定する事業承継に特化したM&A関連資格です。

事業承継に必要な知識や実務を学ぶことができます。

ただ、この資格の重要な点は知識やスキルの体得だけではありません。

事業承継士を取得していることによって、事業承継センター株式会社から優先的にM&A案件を紹介してもらえるメリットがあります。

事業承継センター株式会社は事業承継士の資格取得講座を主催している会社ですので、それなりに事業承継の案件を持っていることが予想されます。

仕事に直結する資格だと言えるでしょう。

また、一般社団法人事業承継協会を通じて、法務・税務などの情報をタイムリーに提供されるなどのサポートを受けられます。

ただし、事業承継士は誰でも受験できるわけではありません。

受験資格があるのは以下のような資格がある「事業承継協会が認定した国家資格を保有している人、もしくは同等の知識を保有している人」だけです。

  • 土地家屋調査士
  • 一級建築士
  • 不動産鑑定士
  • 宅地建物取引士
  • 中小企業診断士
  • ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 行政書士
  • 司法書士
  • 弁護士
  • 社会保険労務士 

事業承継士の試験難易度はそれなりに高いと言われていますが、上記の資格を取得している人であれば合格できる可能性は高いでしょう。

なお、事業承継士の資格を取得するためには、事業承継センターが主催する「事業承継士資格取得講座」を受講する必要があります。

この講座は合計30時間で75%以上の出席が必要です。

講座の受講を終えたら認定試験を受験し、60点以上の獲得で合格となります。

まとめ

M&Aアドバイザーになるためには資格は必ずしも必要ではありません。

例えば税理士業務を行うためには税理士の資格が必要だというような必須の資格は存在しないため、何も資格を保有していない人でもM&A業を営むことができます。

しかし、次のような理由からM&Aアドバイザーは資格を取得した方がよいでしょう。

  • 業務を円滑に進めるため
  • 顧客を獲得するため
  • M&A会社へ入社しやすくするため

M&Aという非常に広範な知識が必要な仕事において資格があるに越したことはありません。

現在M&Aアドバイザーという方も、これからM&Aアドバイザーを目指す方もM&A実務に利用できる資格取得を目指してみるのがよいでしょう。

M&A業界への転職について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

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